大腸内視鏡検査は本当に必要なのか?

国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計(全国がん登録)」によると、日本の大腸がん罹患者数は長年にわたり増加傾向が続いています。

1975年頃には年間約2万人だった大腸がん患者数は、その後増加を続け、近年では年間15万人を超える水準で推移しています。このことからも、大腸がんは決して特別な病気ではなく、多くの方に関係する身近ながんであることがわかります。大腸がんの早期発見・治療のために大腸がん検診・大腸内視鏡検査は必要です。

大腸がんの罹患者数は増加傾向

以下のデータからもわかるように、日本の大腸がん罹患者数は長年にわたり増加傾向が続いています。

大腸がんの罹患者数

大腸がんの罹患者数

※出典:

国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん罹患モニタリング集計(MCIJ))

国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)

なぜ大腸がんは増えているのでしょうか?

大腸がんが増加している背景としては、次のようなことが関係していると考えられています。

  • 高齢化の進行
  • 食生活の欧米化
  • 肉類や脂質の摂取増加
  • 運動不足
  • 肥満
  • 飲酒や喫煙

また、近年は検査体制の充実によって発見されるケースも増えており、大腸がんへの関心はますます高まっています。

大腸がんは初期症状がほとんどありません

大腸がんの怖いところは、初期にはほとんど症状がないことです。次のような症状が出た時には、すでに病気が進行している場合もあります。

  • 血便
  • 便に血が混じる
  • 便秘や下痢が続く
  • 便が細くなる
  • 腹痛
  • 貧血
  • 体重減少

症状がないからといって安心できるわけではありません。そのため、大腸がんは症状が出る前に見つけることが重要です。

大腸がん検診で行う便潜血検査とは?

多くの自治体や職場の健康診断では、大腸がん検診として便潜血検査が行われています。便潜血検査は、便に目に見えない微量の血液が混じっていないかを調べる検査です。

身体への負担が少なく、自宅で採便できるため、大腸がんのスクリーニング検査として広く活用されています。ただし、便潜血検査は「異常の可能性を調べる検査」であり、大腸がんを確定診断する検査ではありません。

便潜血検査で陽性だったら大腸内視鏡検査を受けましょう

便潜血検査で陽性と判定された場合は、大腸内視鏡検査による精密検査が推奨されています。「痔があるから大丈夫」「症状がないから問題ない」と自己判断してしまう方もいらっしゃいますが、便潜血陽性の中には大腸がんや大腸ポリープが見つかる方もいます。放置せず、必ず精密検査を受けることが大切です。

便潜血検査が陰性でも、大腸内視鏡検査が重要なケースがあります

便潜血検査は、大腸がん検診として広く行われている有用な検査ですが、検査時に病変から出血していない場合には、早期の大腸がんや大腸ポリープが見つからないことがあります。

そのため、便潜血検査が陰性であっても、大腸がんや大腸ポリープの可能性を完全に否定することはできません。特に、40歳以上の方、血便がある方、便秘や下痢などの便通異常が続いている方、ご家族に大腸がんの既往がある方などは、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)による詳しい検査をご検討ください。

大腸内視鏡検査でわかること

大腸内視鏡検査では、大腸の粘膜を直接観察できます。以下のような病気の発見に役立ちます。

  • 大腸がん
  • 大腸ポリープ
  • 潰瘍性大腸炎
  • クローン病
  • 憩室出血
  • 虚血性腸炎

また、検査中に発見したポリープについては、その場で切除できる場合もあります。ポリープを切除することで、将来的な大腸がんの予防につながることも期待できます。

よくある質問

Q
大腸がん検診は何歳から受けるべきですか?

A.一般的には40歳を過ぎたら定期的な大腸がん検診が推奨されています。

自治体によって対象年齢が異なりますので、お住まいの自治体の案内もご確認ください。

Q
便潜血検査が陰性なら安心ですか?

A.便潜血検査は有効な検査ですが、すべての大腸がんを発見できるわけではありません。

症状がある場合やリスクが高い場合には、大腸内視鏡検査が必要になることもあります。

Q
大腸内視鏡検査は痛いですか?

A.近年は鎮静剤を使用した苦痛の少ない大腸内視鏡検査も普及しています。

不安がある方は事前にご相談ください。

まとめ|大腸がんは早期発見・早期治療が重要です

国立がん研究センターの統計からも分かるように、日本における大腸がん患者数は増加傾向にあります。しかし、大腸がんは早期発見できれば治療できる可能性が高い病気です。そのためには、定期的な大腸がん検診・便潜血検査・必要に応じた大腸内視鏡検査が重要になります。

血便や便通異常など気になる症状がある方はもちろん、症状がない方も定期的な大腸内視鏡検査をご検討ください。東京都世田谷区の鶴町クリニックでは、検査のご相談はネット予約も受付ております。