胃がん検診の重要性

世田谷区では、40歳以上の世田谷区民の方を対象に胃がん検診を実施しています。その胃がん検診の重要性について、本日はご説明したいと思います。新型コロナウイルス感染拡大の影響によって、検診を先送りされている方もいらっしゃると思いますが、どうぞ忘れずに、胃がん検診を受けてほしいと思います。

胃がん検診の重要性について

胃がんは、50歳代以降にかかる人が多く、日本のがんによる死亡原因の多くを占めるがんです。しかし胃がんは、早い段階では自覚症状がほとんどなく、かなり進行しても症状がない場合があります。

がんが大きくなるにつれて、徐々に粘膜下層、固有筋層、漿膜(しょうまく)へと外側に深く進んでいき、大腸や膵臓にも広がるケースもあります。また、がん細胞がリンパ液や血液の流れに乗って、離れた臓器でとどまってふえる転移が起こることもあります。

また、胃がんの中に粘膜表面にあまり変化を起こさずに進行する悪性度の高いスキルス胃がんがありますが、このスキルス胃がんは、特に症状があらわれて見つかったときには進行していることが多く、早期の発見が非常に重要です。

医療技術の進歩によって、胃がんは、早期発見・早期治療によって、90%以上の人が治るといわれていますが、そのためには定期的に胃がん検診を受けること、胃がん予防に取り組むことがとても大切となってきます。

世田谷区では、胃がんは早期発見・治療を目的として、40歳以上の世田谷区民の方を対象に胃がん検診を実施しています。50歳以上の世田谷区民の方は、エックス線の検査と内視鏡検査、どちらか一つを選んで受診いただけるようになりました。ぜひこの機会に受診しましょう。

当院では、世田谷区の胃がん検診を実施しております。また世田谷区の胃がん検診でなくても、必要に応じていつでも胃の内視鏡検査を受けられる体制を整えております。ご希望の方は、どうぞご相談ください。

胃がんの代表的な症状

胃がんは、早い段階ではほとんど自覚症状がありませんが、代表的な症状としては次のような症状があげられます。

  • 胃(みぞおち)の痛み
  • 胃の不快感や違和感
  • 胸やけ
  • 吐き気
  • 食欲不振 など

また、胃がんから出血することによって起こる貧血や黒い便が発見のきっかけになる場合もあります。しかし、これらは胃がんだけにみられる症状ではなく、胃炎や胃潰瘍いかいようの場合でも起こります。胃炎や胃潰瘍などの治療で内視鏡検査を行ったときに偶然に胃がんが見つかることもあります。

また、食事がつかえる、体重が減る、といった症状がある場合は、進行胃がんの可能性もあります(参照:国立研究開発法人国立がん研究センター/がん情報サービス)。

もし、気になる症状がある方は、定期的な検診時期を待たずに、すぐに医療機関へご相談ください。