大腸内視鏡検査について

大腸内視鏡検査が初めての方にとっては「痛みがあるのでは?」「つらそう…」といった不安を感じる方も少なくありません。しかし、近年は医療技術の進歩により、鎮静剤を使用してリラックスした状態で受けられる検査が主流となってきています。

実際に当院で検査を受けられた多くの方が、「思っていたよりもずっと楽だった」と安心してご帰宅されています。当院では、検査前の準備や下剤の服用方法、検査当日の流れにいたるまで、患者さまお一人おひとりのライフスタイルやご都合に合わせて、無理のない方法をご提案しています。

ご不安なことや気になる点があれば、どうぞお気軽にご相談ください。本ページでは、大腸内視鏡検査の必要性、検査の流れ、費用など詳しくご説明いたします。ぜひお役立ていただき、安心して検査に臨んでいただければ幸いです。

当院の大腸内視鏡検査の特徴

どのような病気であっても、早期発見・早期治療のためには「検査」が欠かせません。しかし、検査に対して「つらい」「苦しい」といったイメージがあると、つい受診を先延ばしにしてしまう方もいらっしゃいます。

当院では、そうしたご不安を少しでも和らげ、できる限り楽に、安心して大腸内視鏡検査を受けていただける環境づくりに努めております。

「これならもっと早く検査を受ければよかった」そんなふうに思っていただけるよう、検査前の準備から検査中の工夫まで、患者さまに寄り添ったサポートを心がけています。

鎮静下でリラックス検査に対応!

鎮静剤を使うことで、検査中の痛みや違和感、不安などを軽減し、検査を進められるようにしております。当院では、お一人おひとりのご状況に応じて、鎮静剤の種類や量を調整し安心して検査を受けられるよう心がけております。

消化器疾患を専門とし25年の診察実績!

検査の目的は、病気の早期発見・治療です。リラックスした状態で検査を進め、万一病変などが見つかった場合も、スピーディーに適切な対応をご提案いたします。

毎年多数の検査実績!

当院では、毎年2,000件近くの大腸・胃内視鏡検査を実施しています。すべての検査は鶴町院長が対応しており、検査補助も経験豊富なスタッフが担当します。チームワーク抜群の体制で、丁寧かつスムーズな検査を心がけておりますので、いつでも安心してご来院ください。

柔軟な検査日程に対応!

当院では、大腸内視鏡検査を診療日であれば毎日実施しております。午前・午後いずれの時間帯でも対応可能で、ご希望に合わせた柔軟な検査日程をご提案します。

また、お仕事などの都合で前日に下剤を服用する時間が取れない方には、下剤の服用と検査を1日(同日)で完了できる「当日法」にも対応しております。ご希望の検査日や方法については、どうぞお気軽にご相談ください。

検査前の相談や説明を受けられる!

当院では検査前、必ず検査をする医師が診察を行います。また、下剤の飲み方なども検査前に説明いたします。ご心配な方は、院内で下剤を飲む検査方法も選択できます。

検査がはじめての方、当院の受診がはじめての方も、まずは安心して診察をうけ、検査へと進んでいただけます。ご心配なことがあれば、検査前にご確認ください。

大腸内視鏡検査の必要性

働き盛りの方の中には「大腸がん検診は毎年受けているけど、本当に大腸内視鏡検査も必要なの?」「検査は面倒だし、できれば受けたいない」と考えている方もいらっしゃると思います。お気持ちはとても良くわかりますが、人生100年と言われる時代の中で、日本人が一生のうちにがんと診断される確率は(2020年データに基づく)2人に1人と言われています。

特に、大腸がんは日本において罹患数、死亡数ともに多いがんの一つです。がんの部位別死亡数(2023年)のデータによると、大腸がんは男性で2位、女性では1位となっています(出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(厚生労働省人口動態統計))。

がん死亡数の順位(2023年)

がん死亡数の順位(2023年)

参照元:国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(厚生労働省人口動態統計)

しかし、がんで死亡する人が増えている一方で、医学の進歩により、がんになったとしても治る人も増えています。がん医療を評価する指標として、“5年相対生存率”というものがあります。がんと診断されてから5年後に生存している患者さんの割合を示すものの1つです。5年相対生存率(1993年~2011年診断例)によると、早期の大腸がんの場合は、97.3%という数値が出ております。

つまり、大腸がんは早期に発見し治療を開始することで、より良い結果が期待できる疾患ということです。大腸内視鏡検査は、大腸がんやその前段階であるポリープなどを直接観察し、発見するための有効な手段ともなります。

検査が必要な方や年齢的に適したタイミングを迎えた方には、どうか迷わず受診していただけたらと思っております。

検査の頻度

まずは、40歳になったら年に1度、大腸がん検診を

40歳を超えると各自治体による大腸がん検診の助成が受けられます。自治体の大腸がん検診では、便潜血検査(検便)を行い、異常があった場合に精密検査として大腸内視鏡検査を受けるのが一般的です。

便潜血検査と大腸内視鏡検査の関係

便潜血検査で異常がなかったとしても、安心はできません。近年、増えている凹んだタイプ(陥凹型)の早期がんは、便潜血反応ではとらえられません。また、盲腸、上行結腸といった右側の大腸では便はまだ水様性なので、たとえ進行がんになっていても便潜血反応では陰性になってしまうことがあるのです。便潜血検査が陰性でも、定期的な大腸内視鏡検査をおすすめいたします。

症状がある方は迷わず大腸内視鏡検査を

便秘・下痢・血便など便通の異常がある場合、その原因は、通常の診察や自己判断では難しいです。実際に「痔だと思い込んでいて検査したらがんだった」などというケースもあります。自己判断で放置をせず、気になる症状が出ている方はぜひお早目に大腸肛門科や消化器科へご相談のうえ、検査をご検討ください。

大腸の病変は、胃に比べて放置するとがん化するリスクが高いとされており、早期発見・治療がとても重要です。

検査で発見できること

大腸内視鏡検査では、大腸がんの早期発見はもちろん、ポリープの有無や、近年ストレスや生活習慣の乱れなどが原因で増加しているさまざまな大腸疾患の確認も行うことができます。

特に注意が必要なのが、肛門の違和感や出血を「痔だろう」と自己判断して放置してしまうケースです。こうした症状の裏に重大な疾患が隠れている場合もあり、大腸内視鏡検査を受けて原因を調べておくことが、とても重要です。

大腸疾患の例

大腸ポリープ 良性ですが、腫瘍で構成されたポリープ(腺腫性ポリープ)です。大きくなるとがんになるため、取る必要があります。この位の大きさなら、外来で、内視鏡的切除可能です。
大腸早期がん 潰瘍性大腸炎に合併した大腸早期がんです。青い色素の着いていない浅い凹みが病変です。現在は、手術をしないで内視鏡で取れる早期がんも増えています。
大腸進行がん 深いクレーターを有する進行がんです。この段階になると、手術が必要です。
孤立性直腸潰瘍 排便時のいきみで、直腸粘膜が圧迫され、潰瘍が生じ、出血を来たす事があります。
潰瘍性大腸炎症候群 原因不明で、大腸粘膜にびらんや潰瘍をつくる病気です。下痢、粘血便、微熱が主症状です。難病にも指定されている病気です。若い方に、非常に増えている疾患です。
クローン病 潰瘍性大腸炎同様、原因不明の大腸の炎症です。腸に潰瘍、繊維化を来たし、腸と腸がトンネルで交通してしまう事もある。図の様に、縦に走る潰瘍が特徴です。関節や目にも病気を認めることがある。
腸結核 腸に結核菌が感染した状態。肺の結核菌を飲み込んで、発症する下痢、微熱、腹痛が主な症状。
憩室からの出血 憩室とは、腸の壁で薄い部分が、腸の内圧に押されて、部分的に外側に向かって袋状に、飛び出した状態。憩室の中で、炎症を起こし、出血を来たす事がある。緊急手術になるような、大量出血の場合もある。

早期発見をサポートする医療設備

リラックスできる検査・病変の早期発見には、医療技術の進歩も大きな役割を果たしていると考えています。当院では、充実した設備環境を整え、病変の早期発見・早期治療に力を入れています。

受動湾曲・先端部は外径9.2mmの細さ

受動湾曲新型細径大腸内視鏡は、軽く腸壁に押し当てられただけで自然に曲がり、さらに9.2mmという細さでも大腸の奥まで操作が伝わります。これにより受診される方の負担が軽減されます。

受動湾曲細径大腸内視鏡

受動湾曲細径大腸内視鏡

女性で内膜症・筋腫のある方や細身で骨盤の狭い方も安心です!

検査が難しいケースとして、過去に受けた手術による癒着がある症例があげられます。また女性の場合は、手術経験がなくても、子宮内膜症や筋腫による癒着があり、内視鏡の挿入に時間がかかることがあります。細身で骨盤の狭い方も、大腸の屈曲が強く、挿入が難しいことがあります。この受動湾曲細径大腸内視鏡なら、そのような方にもスムーズに挿入でき、苦痛なくリラックスした状態で検査を受けていただけます。

NBIを用いた内視鏡観察

NBIとは、特殊光観察の手法の1つです。通常光観察のときに用いる白色光に対し、特殊光観察では、光学特性を変換した照明光を用いて画像を強調するため、より精度の高い診断が可能です。今まで見逃されてきた小さな病変が発見できるようになるだけでなく、その病変が腫瘍か非腫瘍かも鑑別できます。

NBI

NBI

腫瘍か非腫瘍かが鑑別できれば、大腸内視鏡検査における不要な生検を減らすことができ、出血などのリスクを軽減できます。また不要な生検を減らすことは、医療費の削減にもつながります。患者様の身体的・経済的負担を減らせる画期的な観察手法です。

拡大内視鏡

最新の拡大内視鏡は、ハイビジョン対応の高画質で、110倍までの光学ズームが可能です。微細な血管や粘膜の表層膜様までリアルに再現でき、NBIと組み合わせることで、さらに精密な観察・診断ができます。

検査前の準備

より良い検査を受けていただくため、大腸内視鏡検査を実施する前には、事前診察、下剤の服用、食事制限などがございます。医療機関の指示に従って準備を進めましょう。

また、検査の進め方によって、準備の仕方も異なります。準備内容も含めてご自身のライフスタイルにあった検査方法を選択してください。

午前中に検査を受ける方

午前中に大腸内視鏡検査を受けられる方は、検査前日と当日朝に下剤を服用します。事前診察は、検査予約日の約1週間前までにお願いしております。

事前診察の際に、前日にお召し上がりいただく検査食、前日と当日に服用する下剤などもお渡しします。予定通りに摂取できるように準備しましょう。

午後から検査を受ける方

午後から大腸内視鏡検査を受けられる場合は、下剤の服用・検査を1日で行うことが可能です。

検査日のスケジュールは、午前中に下剤を服用し、午後14時30分ごろから検査開始となります。下剤の服用は、ご自宅または院内で服用いただけます。

※下剤の服用・検査は1日で行いますが、検査を安全に行うために、検査日より前に一度ご来院いただき、医師による診察(事前確認)が必要です。

より良い検査を受けるために、準備内容も含めてご自身のライフスタイルにあった検査方法を選択していただきたいと思います。お気軽にご相談ください。

検査当日の流れ(検査後まで)

大腸内視鏡検査では、細くて長い内視鏡(スコープ)を肛門から挿入し大腸全体をモニターで観察します。内視鏡はとてもやわらかく、痛みはありませんのでご安心ください。病変があれば生検という細胞の検査をしたり、ポリープがあればその場で取る場合もあります。

STEP-1
ご来院後の準備

来院後受付を済ませたら、検査着に着替えます。検査台に横になり、おなかを楽にします。力を抜いて楽にしてください。

STEP-2
検査室での処置

鎮静剤を注射します。ウトウトと眠い状態になります。場合にとっては、腸の緊張をやわらげる薬を注射します。

STEP-3
検査を開始

検査室での準備肛門から内視鏡を挿入し、医師はモニターに映る腸内を観察していきます。検査は15分程度で終了します。

STEP-4
検査終了後

着替えが済んだら、検査の結果をご説明いたします。その後は、すぐにご帰宅いただけます。

検査後の注意

検査当日は車の運転は避けてください。鎮静剤を注射した方は、少し休んでからお帰りください。すぐに日常生活に戻れますのでご安心ください。

検査対象となる方・注意事項

当院では、以下のような症状がある方や、大腸がん検診で「再検査が必要」となった方に対し、大腸内視鏡検査をおすすめしています。また、大腸がん検診は40歳を過ぎたら年に1回の受診が推奨されています。

※体調や持病によっては検査を受けられない場合もありますので、あらかじめご了承ください。

大腸内視鏡検査をおすすめする方

  • 下腹部の痛みや張りが続いている
  • 血便がある
  • 便秘や下痢など便通異常が続いている
  • 腹痛が慢性的にある
  • 健診などで「再検査が必要」と言われた
  • 40歳以上で大腸内視鏡検査を受けたことがない

検査を受けられない可能性がある方

大腸内視鏡検査を安全に行うため、下記に該当する場合は事前診察の結果により検査を見合わせることがあります。あらかじめご了承のうえ、ご不明点はお気軽にご相談ください。

  • 高齢で全身状態が不安定な方、または重度の心臓病・呼吸不全・出血傾向のある方
  • 妊娠中の方(原則、検査は控えますが、無鎮静下で行う事は可能な場合があります)
  • 抗凝固薬・抗血小板薬を服用中で、休薬や代替薬への切り替えが難しい方
  • コントロール不良の重度不整脈や重度の高血圧がある方
  • 明らかな出血傾向や重度の貧血など、診察でリスクが高いと判断された方
  • その他、医師が総合的に判断し「安全性が確保できない」と判断した場合

※検査前の診察時に必ず服用中のお薬をお知らせください。種類によっては休薬や調整をお願いする場合があります。

鎮静剤・麻酔による検査

当院の大腸内視鏡検査では、原則として鎮静剤を使用し、ウトウトとリラックスした状態で検査を受けていただけます。緊張や不安を感じやすい方にも、安心して検査を受けていただけるよう配慮しております。

また、不安が強い方や過去に検査がつらかった方には、麻酔を併用することで苦痛をより軽減した検査方法のご提案も可能です。

詳しい方法やご希望については、事前診察の際に医師とご相談ください。お一人おひとりに合った方法で、安心して検査を受けていただけるよう努めております。

そのほか検査を受けられる方へお願い

  • 検査中は、指先にモニターを装着し、呼吸や脈拍の状態を確認いたします。ネイル(ジェルネイル・マニキュアなど)があると、正確に測定できない場合があります。そのため、検査当日はネイルを外してご来院くださいますようお願いいたします。

検査の料金

当院の大腸内視鏡検査は、ほとんどの場合保険適用となります。料金目安は次の通りです。

保険適用の大腸内視鏡検査

下記は、3割負担の場合のおおよその目安となります。患者様の保険の負担割合によって異なります。初診料、診察料、投薬料などは含まれておりません。実際の料金はご来院時にご案内いたします。

大腸内視鏡検査 生検なし 約8,000円
大腸内視鏡検査 生検あり 約10,000円
大腸内視鏡検査+ポリープ切除 約20,000円

3割負担の場合のおおよその目安となります。患者様の保険の負担割合によって異なります。初診料、診察料、投薬料などは含まれておりません。

ご予約はこちら

内視鏡検査のご予約は、お電話または事前診察の際に承っております。また、事前診察のご予約については、ネット予約もご利用いただけます。

ご希望の日時や検査方法について、どうぞお気軽にご相談ください。患者さまにとって受けやすいスケジュールや検査方法をご提案いたします。

検査のご希望日が既にお決まりの方

お電話で検査日をご相談ください。ご希望の検査日にあわせて、事前のご来院日等のスケジュールについてご案内させていただきます。

※検査日をご予約済みで、検査前の事前診察を受けられる方には、お電話にてスタッフよりご案内を差し上げます。ご案内に沿ってご来院ください。

大腸内視鏡検査の事前診察をご希望の方

事前診察は、ご予約なしでも受診いただけますが、スムーズなご案内のためにネット予約のご利用もおすすめしております。ご都合に合わせて、どうぞお気軽にご来院ください。

事前診察が必要な方

  • 血便・腹痛・便通異常など、おしりやお腹の症状がある方
  • 検査の必要性、検査方法などを医師にご相談されたい方
  • 検査に関して質問や相談がある方 など

上記の方は、事前診察のご予約をお取りください。事前診察後、検査が必要となれば、その場で検査日のご予約が可能です。