痔の予防法 - 痔と生活習慣について | 世田谷区経堂の肛門科・胃腸科・消化器科・内科・痔の治療・内視鏡検査の鶴町クリニック

痔と生活習慣について

痔を予防・改善するための生活習慣について、詳しくご説明します。

痔と生活習慣の深い関係

そもそも痔の原因は、生活習慣にある

痔は、お尻に負担がかかる生活を続けることで発症します。具体的には、日常生活の以下のような行動が、肛門にダメージを与えます。

  • 便秘のため、排便時に強くいきむ
  • デスクワークや運転で長時間座りっぱなしになる
  • 接客業などで、長時間立ちっぱなしになる
  • ゴルフやテニスなどのスポーツ中に強くいきむ
  • 刺激物やアルコールを過剰摂取して下痢になる
  • 冷たい場所に座ってお尻を冷やす
お尻にやさしい生活習慣への改善が、なにより大事

そのため、痔を治すには、お尻に負担をかけない生活習慣へと改善していく必要があります。そうしないと、今ある痔の進行を止められませんし、手術などでいったんは治しても、再発の可能性が高くなります。

痔は予防できる病気です。お尻にやさしい生活習慣を心がけていれば、痔の悩みとは無縁の生活を送ることができるのです。

痔を予防する生活習慣とは?

それでは、具体的にどのような生活習慣を心がけたらよいのでしょうか?

以下の5つの項目に分けて、日常生活で気をつけたいポイントを詳しくご紹介していきます。

  1. 排便時に気をつけるポイント
  2. 食生活で気をつけるポイント
  3. おすすめの運動・マッサージ
  4. 座り方・立ち方のポイント
  5. そのほか日常生活で気をつけること

1:排便時に気をつけるポイント

まずは、排便時に気をつけるポイントをご紹介します。

痔の方にとってトイレは、出血があったり、痔核が出てきたり、切れた箇所に便がこすれて痛んだりと、あまり楽しくない場所かと思います。これ以上症状を悪化させないよう、以下の点に気をつけてトイレに入りましょう。

排便時に強くいきまない

時間は3分程度を目安に

排便時に強くいきむ時間が長いと、肛門がうっ血してしまいます。とくに、残便感があるときに強くいきむと肛門に強い圧力がかかってしまいます。排便の時間は3分程度を目安とし、無理に出そうとせず、いきむ時間を短くするよう心がけましょう。

ウォシュレットのお尻に優しい使い方

洗いすぎに注意!

お尻を洗う際は、水圧を強くしすぎず、人肌程度のあまり熱すぎない温度で、10~20秒流す程度にします。洗い過ぎると肛門の皮膚常在菌も流してしまいますので、お気をつけください。

しっかりと水分をふき取る

使用後に水分が残ると、細菌が繁殖して、かゆみや炎症の原因になります。肛門に負担をかけないよう紙でおさえながらやさしく拭くか、ウォシュレットの乾燥機能を使いましょう。ただし、乾燥機能は使い過ぎにご注意ください。

2:食生活で気をつけるポイント

次に、食生活で気をつけるポイントをご紹介します。

食事の内容は、どんな便が出るかを左右します。痔を改善するためには、問題なく排便できることがとても重要です。そのため、日々どんなものを食べるか、しっかりと選ぶ必要があります。以下を参考に、お尻に負担のない食事をとるよう心がけましょう。

痔に効くおすすめの食べ物・飲み物

便秘や下痢を防ぐため腸内環境を良くする食事が基本

痔を改善するには、肛門に負担をかける便秘や下痢などの異常便を防ぐことが大切です。そのためには、食生活を整え、腸内に存在する腸内細菌のうち、よい働きをする善玉菌を増やして腸内環境を改善しなければなりません。

腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を良くするために効果的な栄養素は、主に以下の4つです。これらの栄養素を多く含む、おすすめの食べ物や食べ方をご紹介します。

善玉菌を増やし、腸内環境を良くしてくれる栄養素

  1. 食物繊維
  2. 乳酸菌
  3. オレイン酸
  4. オリゴ糖

食物繊維

食物繊維には、水溶性と不溶性がある

腸内環境を整える栄養素の代表格が食物繊維です。食物繊維は、水に溶ける水溶性食物繊維と水に溶けない不溶性食物繊維があり、それぞれ働きが異なります。

水溶性食物繊維は、水に溶けてゲル状になり、便をやわらかくしたり、腸内に溜まった有害物質を吸着して体外に排出したりする働きがあります。一方、不溶性の食物繊維は、水を吸ってふくらむことで便のかさを増やし、腸のぜん動運動を刺激する働きがあります。

2種類の食物繊維をバランスよくとることが大事

実は、腸内環境を良くするには、2つの食物繊維のどちらかだけではなく両者をバランスよく摂取する必要があります。たまに、サラダを頑張って食べているのになかなか便秘が解消されないという方がいらっしゃいますが、サラダに使われる生野菜には不溶性の食物繊維の方が多く含まれているため、水溶性の食物繊維が充分にとれていなかったと考えられます。

2つをバランスよく摂取できるよう、それぞれの食物繊維を多く含む食べ物をまとめましたので、ご覧ください。

水溶性の食物繊維を多く含む食べ物

海藻類(昆布・めかぶ・わかめ) 海藻類には、水溶性の食物繊維であるフコダインのほか、アルギン酸やカルシウム、ヨードも含まれ、善玉菌を増やしてくれます。海藻類を十分にとると、腸内がスッキリします。
野菜 野菜の中でも水溶性の食物繊維を多く含むものは、ごぼう・にんじん・大根・玉ねぎ・トマト・キャベツ・ほうれん草などの野菜です。にんじんとごぼうを組み合わせたきんぴらごぼうは、痔の方におすすめのメニューです。
果物(りんご) 果物、とくにりんごには水溶性の食物繊維であるペクチンが多く含まれています。そのまま食べてもいいですが、ヨーグルトと混ぜてスムージーにして飲むのもおすすめです。
ネバネバ食材(山芋・おくら・モロヘイヤ) ネバネバした野菜は、疲労回復や消化促進にも効果があります。同じくネバネバした納豆と組み合わせても美味しく食べられます。
切り干し大根 切り干し大根は不溶性の食物繊維も多く含んでおり、積極的に摂取したい食品です。ぜひ普段の食事に取り入れるようぜひ意識してみてください。

不溶性の食物繊維を多く含む食べ物

玄米、雑穀米、ライ麦パン、全粒粉パン 玄米は精製前のお米で、雑穀米は白米にあわやひえなどの雑穀を混ぜたお米です。ライ麦パンは小麦粉にライ麦を配合して作られたパンで、全粒粉パンは精製前の小麦粉から作られたパンです。これらは、白いご飯やパンにくらべて食物繊維が多く、ビタミンやミネラルも豊富に含んでいます。痔の方には、白いご飯やパンよりも、茶色いご飯やパンがおすすめです。
野菜 不溶性の食物繊維を多く含む野菜は、れんこん・さつまいも・じゃがいも・ブロッコリーなどがあげられます。水溶性の食物繊維を含む野菜とバランスよく摂取しましょう。
果物(バナナ) バナナには、食物繊維のほか便を柔らかくするマグネシウムやオリゴ糖も含まれています。手軽に食べられ、軽い朝食としてもおすすめです。
きのこ類(えのき・しいたけ・しめじ・エリンギなど) きのこ類は、食物繊維を含むだけでなく、それ自体が良い菌なので、積極的に取り入れたい食材です。きのこの炊き込みご飯やきのこソテーなど、日々のメニューにどんどん取り入れましょう。
納豆 納豆には、食物繊維のほか納豆菌が含まれています。納豆菌は善玉菌の栄養となり、腸内環境を整えてくれます。そのほか骨を強くするビタミンB2やビタミンKも含まれており、全身の健康に役立つ食品です。

※頑固な便秘の方が不溶性の食物繊維(とくに玄米)を大量に摂取すると、便秘が悪化するケースがあります。まずは水溶性食物繊維を多く摂取して、便をやわらかくしてあげましょう。

乳酸菌

乳酸菌は、善玉菌を増やして腸内環境を整えてくれるほか、腸のぜん動運動をうながす作用があります。乳製品や乳酸菌飲料、発酵食品に多く含まれます。

乳酸菌を多く含む食べ物

ヨーグルト、乳酸菌飲料 市販されているヨーグルトや乳酸菌飲料には非常に多くの種類があり、ビフィズス菌やブルガリア菌など含まれている菌も異なります。実は、菌は人によって合う合わないがあるので、自分に合わない菌のヨーグルトを食べ続けていると、いっこうにお腹の調子が良くならない可能性があります。一週間くらい同じ商品を食べてみて、効果がなかったら別の菌の商品にかえてみるなど工夫が必要です。
みそ、しょうゆ みそやしょうゆは、大豆の発酵食品です。ヨーグルトに含まれている乳酸菌が動物性の乳酸菌なのに対して、みそやしょうゆには植物性の乳酸菌が含まれています。植物性の乳酸菌は「生きたまま腸に届きやすい」といわれるように生命力の強い菌です。ぜひ和食中心の食事にして、積極的にとるよう心がけましょう。ただし、どちらも塩分が高いので、とりすぎには注意が必要です。

オレイン酸

オレイン酸は小腸で吸収されにくく、小腸を刺激してスムーズな排便をうながす作用があります。

オレイン酸を多く含む食べ物

オリーブオイル 料理に使ったり、サラダのドレッシングにしたり、そのまま飲んでもよいと思います。一日にだいたい大さじ1~2杯を目安に摂取してみましょう。
アボカド 「森のバター」と呼ばれ、非常に栄養価の高い果実で、水溶性の食物繊維も多く含まれています。オリーブオイルと一緒に食べると効果大です。

オリゴ糖

オリゴ糖は、腸内で、善玉菌であるビフィズス菌の栄養となってビフィズス菌を増やす作用があります。

オリゴ糖を多く含む食べ物

大豆 大豆そのものはもちろん、大豆を発酵させたみそやしょうゆにもオリゴ糖が含まれます。
野菜 オリゴ糖を多く含む野菜には、ゴボウ・にんにく・玉ねぎ・とうもろこしなどがあります。
果物(バナナ) バナナには食物繊維も豊富に含まれており、便秘解消にとてもよい果物です。
はちみつ ヨーグルトにかけたり、飲み物に入れたり、調味料として使ったりと、取り入れやすい食品です。

痔に悪い影響を与える食べ物・飲み物

悪玉菌を増やす食品添加物・動物性の食品に要注意

腸内に善玉菌を多く存在させると腸内官僚が良くなるとご紹介しましたが、反対に、腸内に悪玉菌が多くなると、便秘や下痢を引き起こし、痔が悪化するおそれがあります。

悪玉菌を増やして腸内環境を悪くする食べ物の代表格が、食品添加物を多く含む食品や動物性の食品です。それ以外にも、便秘や下痢を引き起こしやすい食べ物・飲み物があり、とりすぎには注意が必要です。

悪玉菌を増やし、腸内環境を悪くする食べ物・飲み物

ファストフード、コンビニ弁当、インスタント食品 これらの食品には、食品添加物がたっぷり入っています。ハンバーガーやフライドチキンには動物性脂肪も多く含まれています。痔の方は、できるだけ控えましょう。
動物性たんぱく質、動物性脂肪 動物性の食品は胃腸に負担をかけます。牛肉・豚肉は控えめに、食べるなら鶏肉や魚をチョイスしましょう。牛肉・豚肉を食べるときは脂身の少ない部分にし、食べすぎに注意しましょう。
アルコール 少量なら血行促進効果がありますが、大量に摂取すると翌日に大量に出血したり、お尻のうっ血や痛みが悪化したりするケースもあります。お酒は適量を守りましょう。
刺激物(香辛料) 唐辛子やわさび、からし、カレーに使われるスパイスなどの刺激物は、下痢を引き起こす可能性がありますので、できるだけお控えください。
冷たい食べ物、飲み物 冷たいものを食べるとお腹が冷え、下痢しやすくなります。ビールやアイスクリームなど、暑い時期はおいしいですが食べすぎには注意が必要です。

痔を改善する食生活のポイント

水分をたっぷりとる

水分不足は便秘の原因になります。便を柔らかくするためにも、適度な水分摂取を心がけましょう。一日2~2.5リットルが目安です。

朝起きてすぐにコップ一杯の水を飲む

とくにおすすめなのが、起きてすぐにコップ1杯の冷たい水を飲むことです。朝食前の空っぽの胃に水が入ると、その刺激が大腸にも伝わり、自然な便意を感じやすくなります。

朝食を食べる習慣をつける

朝、コップ一杯の水を飲んだ後は、朝食を食べてさらに腸のぜん動運動をうながしましょう。メニューの指定は特になく、バナナやヨーグルトなど、食べやすいものを少しお腹に入れるだけでもよいと思います。朝食のために少しだけ早起きする習慣ができると、ゆっくりトイレに行く時間も取れ、一石二鳥です。

3:おすすめの運動・マッサージ

適度な運動は、血行が良くなるため痔の方におすすめです。便秘にも効き目があり、特に、日本人に多いとされる弛緩性便秘に効果的です。無理せず、一日少しの時間で良いので続けるようにしましょう。ただし、激しい運動は、いきんで肛門に負担をかける可能性があるので注意が必要です。

気持ちの良い排便をうながすおなかのマッサージやストレッチも、毎日の習慣にしましょう。

おすすめの運動・筋トレ

ウォーキング・ジョギング

ウォーキングやジョギングは、主に下半身を動かすため、お腹に刺激が伝わり腸のぜん動運動を助けます。手軽に始めやすい運動の一つですので、通勤時や帰宅時に一駅分歩いてみるなど、できる範囲から始めてみましょう。

水泳

水泳は全身運動で、水の中でウォーキングするだけでもかなりの体力を使います。体力低下が気になる方、腰痛などで他の運動がしにくいという方にもおすすめです。

ヨガ

ヨガは、ゆったりとしたストレッチのようなポーズから、お腹周りの筋肉をしっかり鍛えていくポーズまでさまざまです。無理のない範囲で全身を動かしましょう。便秘の方には、腸に刺激を与えるお腹まわりをねじるポーズがおすすめです。

筋トレ(腹筋)

腹筋が弱いと便を押し出す力も弱まるため、便秘になりやすくなります。腹筋を鍛えると排便に必要な筋肉がつくだけでなく、腹部の血行が促進されることで胃腸のはたらきが高まり、自律神経にも作用して排便をうながしてくれます。

おすすめのマッサージ・ストレッチ

おなかのマッサージ

おへそを中心に「の」の字を描くように、時計回りに手を動かして、腸に刺激を与えます。30回ほど、ゆっくり軽くマッサージしましょう。反対回りだと腸の流れと逆になってしまうのでお気をつけください。入浴中など体が温まったときに行うとさらに効果的です。

肛門ストレッチ

肛門をキュッと引き締めたりゆるめたりを繰り返す肛門ストレッチは、肛門の血行が良くなり痔核の症状の改善が期待できます。肛門周りの筋肉を鍛える効果もあり、スムーズな排便につながります。気付いたときにこまめにやるよう習慣づけましょう。とくに体が温まっているお風呂の中で行うのがおすすめです。

4:座り方・立ち方のポイント

座りっぱなしも立ちっぱなしもお尻に負担がかかります

座りっぱなしが肛門に良くないのはもちろん、立っている姿勢が長く続くのも、肛門に負担がかかります。長時間同じ姿勢をとって「座りっぱなし」「立ちっぱなし」にならないよう、適度に休憩をとり、軽く歩いたりストレッチをしたりして、血行を改善させましょう。

座る際は、円座クッションも取り入れて

長距離の運転やデスクワークで、どうしても座る時間が長くなってしまうという方は、円座クッション・ドーナツクッションなどの便利グッズを使うのもおすすめです。肛門が痛む場合、円座クッションを使うと患部がどこにも当たらず楽に座ることができます。

5:そのほか日常生活で気をつけること

入浴はシャワーで済ませず、お風呂に入る

お風呂に漬かると、身体が温まってお尻の血行が良くなります。38~40度くらいのぬるめのお湯にゆっくりとつかりましょう。毎日のお風呂は、お尻を清潔に保つことにもつながります。精神的にもリラックスでき、自律神経のバランスが整います。

冷えに気をつける

冷たいところに座ったりしてお尻を冷やすのも肛門に負担がかかります。冷えると、肛門周りの血行が悪くなったり下痢になってしまったりと、痔には良くないことづくめです。冷たいところに座らないのはもちろん、寒い時期は腰回りにカイロを貼るなど、対策をとりましょう。

心配なことがあったら、いつでも専門医へ

鶴町クリニックは、地域のホームドクター!

痔は生活習慣を改善することで症状の進行を抑えたり、予防ができる病気です。そのため、症状が悪化して治療が必要にならない限り通院する必要はないようにも感じますが、当院は痔の治療だけでなく予防法についてのご相談・アドバイスも行っております。

治療するしないに関わらず、何か気になることがございましたら、いつでもお気軽にご来院ください。痔に限らず、お身体で心配なことは何でもお話をうかがいます。どんなささいなことも、ぜひご相談ください。

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