年末年始は、生活リズムや食生活が大きく変化しやすい時期です。忘年会や新年会、外食や飲酒の機会が増えるほか、帰省や旅行による長時間の移動、運動不足、冷えなどが重なり、お腹やお尻のトラブルが起こりやすくなります。
この時期は特に、便秘や下痢、腹痛、痔の悪化、血便といった症状で受診される方が増える傾向があります。トラブル予防を心がけ、体調に注意しながら良い休暇をお過ごしください。
食生活の変化が腸に与える影響
年末年始は、脂っこい料理や刺激の強い食事、アルコールの摂取量が増えがちです。これらは腸を刺激し、下痢や腹痛の原因となることがあります。
食事量が増えても食物繊維や水分が不足すると、腸の動きが低下し、便秘を引き起こしやすくなります。便秘と下痢を繰り返すことで腸内環境が乱れ、体調不良につながる場合もあります。
便通異常が肛門に与える負担
便秘が続くと、排便時に強くいきむ必要が生じ、肛門に大きな負担がかかります。その結果、いぼ痔や切れ痔が起こったり、すでにある痔の症状が悪化したりすることがあります。
また、下痢が続く場合も、肛門周囲の皮膚や粘膜が刺激され、痛みや出血を伴うことがあります。便通の乱れは、お尻のトラブルを引き起こす大きな要因の一つです。
冷えや生活リズムの乱れにも注意
冬場は寒さによって体が冷えやすく、腸の動きが鈍くなりがちです。冷えは便秘を助長するだけでなく、肛門周囲の血流を悪化させ、痔の症状を強める要因にもなります。
また、就寝時間や起床時間が不規則になることで排便習慣が乱れ、腹部や肛門の不調につながることも少なくありません。
お尻とお腹のトラブル予防のために
以上のような影響を踏まえ、年末年始や旅行中も、できる限り普段どおりリラックスして過ごすことを心がけましょう。
特に旅行中は、普段と生活リズムが変わることで、気付かないうちに神経が緊張してしまうことがあります。また、慣れない環境や部屋で過ごすことで十分にリラックスできず、知らず知らずのうちにストレスが蓄積してしまう場合もあります。
このような状態が続くと、自律神経が乱れ、腸の動きが低下して便秘を引き起こしやすくなります。移動の際にはできるだけ歩くようにする、こまめに水分を摂取する、食事の際には食物繊維を意識して取り入れるなど、腸の働きを妨げない過ごし方を心がけることが大切です。
まとめ
年末年始は、ちょっとした生活習慣の変化が、お腹やお尻の不調として現れやすい時期です。「休み中だから様子を見よう」「年明けに受診しよう」と我慢してしまうと、症状が悪化することもあります。排便時の痛みや出血、腹部の違和感など、気になる症状がある場合は、お早めに肛門科へご相談ください。
当院では、肛門科の診察、予防に関するアドバイス、大腸カメラ検査にも対応しています。インターネット予約や当日予約が可能で、予約なしでの受診にも対応しています。休暇を安心して過ごすためにも、心配な症状がございましたら、お気軽にご来院ください。
