気温が下がる冬は、痔の痛みや出血、血便のご相談が増える季節です。寒さが原因で血流が悪くなったり、生活リズムが変化したりすることで、肛門まわりのトラブルが起こりやすくなります。本記事では、冬に症状が増える理由と、注意すべきポイントについてまとめます。
冷えによる血行不良で痔が悪化しやすくなる
冬は体が冷えることで血管が収縮し、肛門まわりの血流が滞りやすくなります。肛門周囲は体の末端に位置し、冷えの影響を特に受けやすい部位です。血流が悪くなると、いぼ痔(痔核)がうっ血し、痛みや腫れ、出血が起こりやすくなります。
また、冷えによって周囲の筋肉が硬くなることで、排便時の負担も増え、切れ痔(裂肛)の原因となることがあります。
冬に便秘が増えることで血便のリスクが高まる
冬は運動量が減りやすく、水分摂取も不足しがちです。その結果、腸の動きが鈍くなり、便秘が増える傾向があります。硬くなった便を無理に出そうといきむことで、肛門の粘膜が傷つき、排便時や排便後に鮮血が付着する「血便」が起こります。
また、便意を我慢しやすい生活リズム(長時間の外出や年末の忙しさ)も便秘を悪化させ、冬の痔トラブルを助長します。
血便は「痔」だけが原因ではありません
冬に出血が増えるのは痔によるケースが多いのですが、血便は他の病気でも起こり得るため注意が必要です。
大腸ポリープ、大腸がん、炎症性腸疾患など、重大な病気が隠れている可能性があります。血便を「痔のせい」と決めつけず、専門医の診察を受けることが大切です。
まとめ
冬は冷えや生活習慣の変化により、痔や血便のトラブルが起こりやすい季節です。「たまたまの出血」と自己判断して放置すると、症状が進行したり、重大な病気を見逃したりする可能性があります。お尻のトラブルの原因をご自身で見極めることはむずかしいです。
排便時の痛みや出血、違和感があるときは、お早めにご相談ください。当院では、肛門科の診察や大腸カメラ検査にも対応しています。
インターネット予約をご利用いただくと、診察の待ち時間を短縮できます。また、予約なしでも受診できますので、気になる症状がございましたら、どうぞお気軽にご来院ください。
