暑い日が続き、食中毒やおなかの不調が気になる季節です。便やおなかの症状があるとき、「大腸内視鏡検査を受けた方がよいのか」と迷われる方も多いのではないでしょうか。症状や原因によって必要な検査は異なりますので、何かご心配ごとがあれば、お気軽に医療機関へご相談ください。
また、病気の早期発見のためには適切なタイミングで大腸内視鏡検査を行うことも重要です。今回は、一般的に検査を受けるべき目安についてご案内します。
大腸内視鏡検査とは
大腸内視鏡検査は、先端にカメラのついた細いスコープを肛門から挿入し、大腸全体を直接観察する検査です。ポリープや炎症、がんなどを早期に発見でき、その場で組織の一部を採取(生検)したり、ポリープを切除することも可能です。
大腸内視鏡検査では、さまざまな疾患の発見に役立ちますが、特に大腸がんやその前がん病変の大腸腺腫(ポリープ)の発見に大きく貢献します。
受診を検討すべき症状
次のような症状がある場合は、早めの検査をおすすめします。
- 血便(赤色または黒色)
- 下痢や便秘が続く
- 便が細くなった
- 腹痛や下腹部の張りが続く
- 原因不明の体重減少 など
※発熱、貧血(顔色が青白い、動悸、ふらつき)について
これらは痔や一時的な腸炎の場合もありますが、大腸がんや炎症性腸疾患の初期症状として現れることもあります。潰瘍性大腸炎では、重症化すると頻繁な粘血便による貧血や脱水が起こり、顔色が青白い、動悸、ふらつき、食欲不振や体重減少を伴うことがあります。
年齢や家族歴によるリスク
- 50歳以上:加齢とともにポリープやがんの発生率が高まります。
- 大腸がんの家族歴:親・兄弟姉妹に大腸がんを経験した方がいる場合は、40歳前後からの定期検査が推奨されます。
- 潰瘍性大腸炎・クローン病:長期に炎症が続くと大腸がんのリスクが上がります。
症状がなくても検査が必要なケース
大腸がんは初期段階では自覚症状がほとんどなく、健康診断や便潜血検査で初めて異常が見つかることも多いです。以下の場合は症状がなくても検査をおすすめします。
- 便潜血検査で陽性
- 健診で貧血を指摘された
- 健康診断を数年以上受けていない
- 40歳以上の方 など
大腸内視鏡検査の受けやすさ
現在、大腸内視鏡検査について、鎮静剤を使用してリラックスした状態で検査を受けられます。また、下剤の服用がつらいという方もいますが、下剤の服用方法や準備の流れが分かっていれば、不安も和らぎ、安心して検査を進められると思います。
世田谷区の肛門科・消化器科の『鶴町クリニック』では、患者様の負担をできる限り軽くする検査方法を心がけています。気になる症状や不安がある方は、お気軽にご相談ください。大腸内視鏡検査前の事前診察はWEB予約も受付ております。